G


GAMMERA
ANGELBURNER
(1998 / Audio Demolition Services 番号なし)
desert

サンフランシスコ出身の新人バンドの6曲入りデモをCD化したもので、通信販売でのみリリースされた。
執拗に繰り返されるヘヴィ・リフ、くぐもったようなヴォーカルはやや類型的なストーナー・サウンドに聞こえるものの、先達に似せようという計算高さは感じられない。内容の良さ、わずか500枚のみプレスということもあり、後々"幻の作品"と呼ばれることになる可能性もあり。急いで入手することをお薦めする。
なお彼らのサイト(www.gammera.com)から通販で$9.00と安価で入手できる。
ジャケは白黒コピーのチープなものだが、中身の充実を考えると安い!

(99/02/05)
★★★★★ ★★★



GAMMERA
SMOKE AND MIRRORS
(2000 / Audio Demolition Services AD-0102)
desert

唯一のフルレンス作。
あちこちのレーベルに持ち込みを狙っていたそうだが、結局自らの『Audio Demolition』からリリースされた。
EPの延長線上にあるヘヴィ・グルーヴ・ロックで、かなりの充実度。
音楽性は『Man's Ruin』系と一言で片づけてしまうことも可能だが、最後まで飽きずに楽しめる。"その手"のサウンドが好きな人はけっこうハマるかも。
EPとは「Angelburner」のみが重複、他の曲はすべて新曲。
エンジニアは元VAINのデイヴィ・ヴェイン。
本作リリース後、西海岸を中心にライヴ活動を続けるが、2001年秋にギター兼ヴォーカルのスコット・セルフリッジとギターのラフェル・マルティネスが脱退。残されたベースのクリント・ラグズデイルとドラムスのヴァディムはエリック・デンビーを後任ギタリストに迎えてライヴ活動を続けたが、2002年秋に力尽きて活動休止を宣言した。
良いバンドだっただけに残念!
クリントとヴァディムは出戻りラファエルと新バンドTUSKを結成。スコットはユタ州に移住してRED BENNIESに加入した。

(02/09/30)
★★★★★ ★★★



GAS GIANT
PLEASANT JOURNEY IN HEAVY TUNES
(2000 / Voice Of Wonder BHR003)
heavy groove / space

デンマークのスペース・グルーヴ・バンドによる公式デビュー作。
本作以前にミニ・アルバムとデモCDを制作している。
ヘヴィ・グルーヴ感とスペース感を上手く兼ね備えており、2枚ぶん楽しめてお買い得。
適度なメロディもあって、バランスの良い作品だ。
ギターがモロKYUSS時代のジョシュ・ホームに似ている曲があったが、タイトルが「Desert Call」ということで何となく納得。
あまりに破綻がないため物足りない部分もあるが、完成度は高い。
中古はもちろん、新品輸入盤でもゲットする価値はあり。
本作以後にノルウェーのWEとのスプリット12"を発表している。

(01/12/11)
★★★★★ ★★★


GOATSNAKE
The Innocent b/w IV
(1998 / Prosthetic PRVS-01)
heavy rock / doom / sludge

元THE OBSESSEDのグレッグ・ロジャーズ(ds)とギィ・ピナス(b)、元SCREAM〜WOOL〜earthlings?のピート・スタール(vo)、元ENGINE KID〜THORR'S HAMMERのグレッグ・アンダースン(g)が結成した新ユニットのデビュー7"シングル。スローでドゥーミーなスラッジ・サウンドだが、歌メロがしっかりしているため聴きやすい。2曲でも十分なインパクトの期待のグループだ。

(99/02/28)
★★★★★ ★★★★


GOATSNAKE
I
(1999 / ビクターVICP-60978)
heavy rock / doom / sludge

あまりにヘヴィ過ぎのデビュー・フルレンス・アルバム。BLACK SABBATHスタイルのリフが狂おしいほどに重く、強烈にうねりまくる。どの曲もオールド・スクールのようでありながら新鮮で、思わずグルーヴに足を浚われてしまう素晴らしい内容だ。プロデュースはMELVINSのバズ・オズボーン。
上述7"収録の2曲、コンピレーション盤『WELCOME TO METEOR CITY』収録の「Mower」も収録されているが、いずれも同テイク。ただ、そのせいでアルバム全体の完成度はさらに高いものとなっている。
ピート・スタールの普通ヴォーカル(デス声/唸り声/シャウトでない)は賛否ありそうだが、それもバンドの大きな個性。
しかし変なバイカーおやじがバイキング船の横をバイクで走るジャケは下手すぎ。
なお米『Man's Ruin』からアナログ盤がリリースされたが、悪魔の山羊をあしらった最高にカッコ良いジャケット。アナログ向きの音楽性ということもあり、こちらをお薦めしたい。
日本盤CDにはBURNING WITCHとのスプリットから「Burial At Sea」、『Warpburner』7"から「Knucklebuster」と、2曲がボーナスとして追加収録された。

(99/05/31)
★★★★★ ★★★★★


GOATSNAKE
Man Of Light b/w Knucklebuster
(1999 / Warpburner WARP003)
heavy rock / doom / sludge

独『Warpburner』からの7"。両曲ともアルバム『I』未収録の新曲で、やはりSABBATHを押し潰したような極ヘヴィ・ナンバー。
わずか2曲では圧殺ヘヴィ・リフも腹八分目といった感じだが、楽曲は『I』同様のテンションと重さが保たれているし、彼らの激重サウンドに魅せられたリスナーには嬉しいプレゼントだろう。また、彼らのサウンドに初めて触れる人にもお薦めできる秀逸な内容だ。
とは言っても日本への流通経路が確立されていないため、国内での入手は困難かも。
ただ「Man Of Light」は『DOG DAYS』に、「Knucklebuster」は『I』日本盤ボーナス曲として収録されたため、容易に聴くことが出来る。

(99/06/25)
★★★★★ ★★★


GOATSNAKE / BURNING WITCH
A SPLIT FULL LENGTH RECORDING FROM GOATSNAKE AND BURNING WITCH
(2000 / HydraHead HH666-045)
sludge / doom

縁浅からぬ2スラッジ・ドゥーム・バンド(それぞれの項目参照)のナンバーを2曲ずつ収録したスプリットCD。両者とも激ヘヴィでスローな曲を提供している。
GOATSNAKEの「Raw Curtains」はズズズと引きずる強烈なスラッジ・インスト。SAINT VITUSのカヴァー「Burial At Sea」もオリジナルの数段ヘヴィでスローなアレンジが加えられており、2曲とも『I』以上にヘヴィなサウンドだ。
それにトドメを刺すのがBURNING WITCHの2曲。「The Bleeder」「Communion」共におそらく'96年『TOWERS』セッションからのアウトテイク(プロデュースはスティーヴ・アルビニ)だが、陰惨で冷たさすら感じるスラッジ・ドゥーム。わめくヴォーカルも不安をかき立てる。
GOATSNAKE『I』で寄ってきた新参ファンを遠ざける凄まじい1枚だ。
2000年1月にデジパックCDが先行リリースされ、アナログ盤は3〜4月に発売される予定。
なおGOATSNAKEの「Burial At Sea」は『I』日本盤ボーナスとして、「Raw Curtains」は『DOG DAYS』に収録された。またBURNING WITCHの「Communion」は『RIFT CANYON DREAMS』に収録された。

(00/02/04)
★★★★★ ★★★★


GOATSNAKE
DOG DAYS
(2000 / Southern Lord SUNN5)
heavy rock / doom / sludge

ギタリスト、グレッグ・アンダースン自ら率いる『Southern Lord』レーベルからリリースされたミニアルバム。
1曲目「The Orphan」は激重スラッジ・リフがズシンと胃に来るナンバー。2曲目「Long Gone」はブギー調だが、やはり重低音リフは健在だ。
3曲目「Heartbreaker」はFREEのカヴァー。GOATSNAKE流にアレンジしているのは見事だが、オリジナルと較べてピート・スタールのヴォーカルがあまりにも表現力と魂に欠けているのが露呈してしまっている。ポール・ロジャーズと較べるのは酷というものだが、この曲でのヴォーカルはあまりに貧弱。
4曲目「Raw Curtains」はBURNING WITCHとのスプリットで既発曲。本作の中では一番の激重ヘヴィ・ナンバーだ。
5曲目「Man Of Light」は『Warpburner』レーベルの7"収録曲。
(よって『I』日本盤と本作を入手すれば、2000年3月時点までのGOATSNAKE音源はすべて聴けることになる)
本作を最後にギィ・ピナスは脱退。後任には元BURNING WITCHのG.スチュワート・ダールクイストが加入している。
デジパックCDとピクチャーLPがリリースされた。ピクチャーLPにはボーナス曲としてBLACK SABBATHのカヴァー「Who Are You」が収録されている。ハマり過ぎ!

(00/04/04)
★★★★★ ★★★★


GOATSNAKE
FLOWER OF DISEASE
(2000 / Man's Ruin MR139 / ビクター VICP61235)
heavy rock / doom / sludge

待望の2ndフルレンス・アルバム。
グレッグ・アンダースンの大地を揺るがす重低音ギター・リフはそのままに、ピート・スタールのヴォーカルがより前面で活躍、女性コーラスやハーモニカも用いられ、楽曲の表情が豊かになっている。
BURNING WITCHとのスプリットCDや『DOG DAYS』と較べると『I』の路線に近い、きちんと"曲"を重視したアルバムであり、彼らのルーツが70年代ロックにあることを認識させられるアルバムだ。
「A Truckload Of Mamma's Muffins」のコーラスはポップですらあるのが面白い。
ただ、本作で彼らが軽量級になったとタカをくくるとラストの大曲「The River」での残虐なまでの激重サウンドにひっくり返って死ぬことになるので要注意。
CATHEDRALやEMPEROR、EARTH(ブートレグ)などのアートワークを手がけ、BURNING WITCHのメンバーでもあるスティーヴン・オマリーによるジャケット・デザインはちょっと地味過ぎる気も...。
(『I』のジャケットよりは数百倍良いのだが)

(00/11/03)
★★★★★ ★★★★


GOD GROWS HIS OWN
GOD GROWS HIS OWN
(1998 / 7" Layer Recordings 番号なし)
doom / space

スウェーデン出身バンドの(たぶん)デビュー10"。
全3曲いずれも70年代ヘヴィ・ロックを思わせるサウンドで、後半スペーシーなインスト・ジャムに突入する。楽曲としては掴み所がないものの、ヘヴィなファズ・ギターやスペース・ジャムに感覚が麻痺していくのが快感だ。
最初の一聴ではピンと来ない可能性もあるが(僕自身そうだった)、じわじわ効いてくる1枚。

(99/08/27)
★★★★★ ★★


GOD GROWS HIS OWN
Space Caesar b/w Chromo Somo
(1999 / 7" Layer Recordings 番号なし)
doom / space

10"に続く7"。A面の「Space Caesar」はコンパクトな秀曲で、10"では聴かれなかった新たな魅力を堪能させてくれる。バンドにとってテーマ曲となり得るナンバーだ。
B面「Chromo Somo」は10"の延長線上にあるスペーシーなナンバーだが、やや魅力に欠ける内容。ライヴで大音量で聴くとトリップ出来そうな楽曲だが、スタジオにそのエネルギーを持ち込むことには成功していない。

(99/08/27)
★★★★★ ★★


GODSPEED
RIDE
(1994 / イーストウェスト AMCY-676)
heavy groove rock

現SOLACEのトミー・サザードと現THE ATOMIC BITCHWAXのクリス・コズニックが在籍していたニュージャージーのヘヴィ・ロック・バンド。SKID ROWのレイチェル・ボランによるプロデュース、という触れ込みでデビューした。
本作のサウンドはBLACK SABBATHをベースにしながらもパンクを経由した、90年代初めの"オルタナティヴ"ヘヴィ・ロック。2人ベーシストという編成がグルーヴをさらに盛り上げている。楽曲にもっとヴァラエティが欲しかったが、グルーヴに身を任せるには最適のアルバムだろう。
ただ、16分以上に及ぶラスト「My Brother」でのビートニクっぽいジャムは途中で飽きる。
日本盤にはボーナス・トラック「Want」収録。
なお本作以前に7"「Acid Face b/w Time Bomb」を自主制作でリリースしている。また、BLACK SABBATHトリビュート『NATIVITY IN BLACK』ではブルース・ディッキンソンと共に「Sabbath Bloody Sabbath」で参加していた。
本作リリース後にバンドは解散、トミーとクリスはSLAPROCKET結成に向かう。

(99/07/03)
★★★★★ ★★



GORILLA
GORILLA
(2001 / Lunasound LUNA005CD)
fuzz doom rock

イギリス出身パワー・トリオのデビュー作。
LED ZEPPELIN、THE WHO、BLACK SABBATHなどのオイシイ所をつまみ食いしながらナチュラル・ディストーションでブーストしまくり。しかも微妙にポップな所もあったりして、ヘタをしたら"UKロック"扱いでブレイクしてもおかしくなさそうだ。
作曲・演奏能力はもちろん女性ベーシストのサラ・ラッセルも交え、ビジュアル的にもアピールする要素があり、かなりツボ。
極めて9ッに近い内容。イエーッ。

(02/01/25)
★★★★★ ★★★



GREENLEAF
GREENLEAF
(2001 / Molten Universe MOLTEN008)
all-star 70s heavy jam rock

スウェーデン版DESERT SESSIONSとして結成されたユニットのデビュー10"。
DOZERのTommi(g)、DEMON CLEANERのDaniel(ds)、LOWRIDERのPeder(vo)、プロデューサーのBengt Backe(b)というラインアップ。
DESERT SESSIONSを意識したといっても音楽性はあちらほど実験的でなく、70年代スタイルのブルース・ベースのロックをプレイ。"お遊び"であるためかリラックスした内容だがかなり充実しており、彼らの本業よりこっちの方が良いんじゃないの?と思えるほどだ。
それは当人たちも分かっているらしく、本作に続くフルレンス・アルバム『REVOLUTION ROCK』も発表された。

(01/04/06)
★★★★★ ★★★



GREENLEAF
REVOLUTION ROCK
(2001 / Molten Universe MOLTEN014)
all-star 70s heavy jam rock

10"に続いてリリースされたフルレンス作。
考えナシの怒涛ロック・ナンバー「VAT 69」「Red Tab」「Electric Ryder」、サイケ・ジャムの「Status: Hallucinogenic Phase II」(10"収録曲の続編)「Monostrereowhatever」など、問答無用のイカしたロックが連発。
「The Shipbuilder」はファズの効きすぎで頭が痺れるほど。
ただのプロジェクトとしておくのは勿体ないクールなアルバム。メンバー達がどう思うか知らないが、DOZERよりもDEMON CLEANERよりも本作の方がカッコイイ!
流通が確立されておらず、日本にはほとんど入ってきていないのが残念。

(02/09/30)
★★★★★ ★★★★


GRIEF

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GROUNDHOGS
SPLIT
(1971 / EMI CDHOGS1)
progressive / blues / psychedelic

ジョン・リー・フッカーに憧れてデビューした英国ブルース・バンドの4thアルバム。
デビュー後徐々に正統派ブルースから離れていった彼らだが、本作ではプログレッシヴでサイケな路線が全面開花、アナログA面すべてを使って偏執症をテーマにした4部構成の大曲「Split」をプレイしている。トニー・マクフィーのギターが全編冴え渡っており、リズム・セクションとのバトルもスリリング。
B面のキャッチーなコーラスと熱いジャムが交錯する「Cherry Red」(秘かに名曲)、最後の「Groundhog」(ジョン・リー・フッカーのカヴァー)まで気を抜くことが出来ない傑作だ。
'71年リリースということもあり、かなり古臭いサウンドに刺激が足りないと感じるリスナーもいるだろうが、その古臭さにどっぷり浸かってしまえばもう極楽。日本ではほとんど評価されていないが、SMALL FACES『OGDENS' NUT GONE FLAKE』に匹敵する名盤としてお薦めしたい。
'96年に『SCRATCHING THE SURFACE』『BLUES OBITUARY』『THANK CHRIST FOR THE BOMB』との4枚組CD紙ジャケBOXで再発された。
UNDERWORLDのカール・ハイドが「人生を変えたアルバム」と推していることでも知られている。

(00/12/22)
★★★★★ ★★★★★


GYPSY MOTH
GYPSY MOTH
(1997? / Audio Deafenings ADLP01)
garage/doom/psychedelic/jam

デモテープを送るとバンドに断りなしにCD-R化して$25ドルで売り出してしまうという恐怖のレーベル『Hard'n'Heavy Rockville』のオーナー、MarsHallがドラマーを務めるバンドの唯一のアルバム。80年代に録音された音源らしい。職業倫理の欠如はもちろんのこと、滅茶苦茶ヘタクソなアートワークは想像を絶するが、内容は予想外に良い。スローなインスト・ジャムを中心としたオールド・スタイルのドゥーム・サウンドで、3曲でスコット"ワイノ"ワインリック(元THE OBSESSEDとSAINT VITUS、現SPIRIT CARAVAN)がギターをプレイしている。
もちろん良いとは言ってもあくまでマイナーレベル。けっこうダラダラしているのでコンパクトな曲が好きな人は避けるべきだろう。
なお日本のCHURCH OF MISERYのデモを勝手にCD-R化した『Doom Records』もMarsHallの所有するレーベル。

(99/03/09)
★★★★★ ★★